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小さな瓶から指を引き抜いたその先からは、きらきらと輝く琥珀色の蜜が滴り落ちていた。 それを御堂の唇に持っていき、ほんの少しだけ差し入れる。 「これが何か、分かりますか?」 「ん……」 無意識のうちに指に舌を絡ませた御堂は小さく呻きながらその蜜を舐め取った。 「はち……みつ?」 目隠しをされ背後から抱きすくめられた格好の御堂は消え入りそうなほどの小さな声で答える。 「正解」 くっ、と喉の奥で笑いながらとろりとした指を唇の上で滑らせて、そのまま喉を通り鎖骨を越えてぷくりと立ち上がっている乳首に触れさせる。 「ん……っ」 途端にびくりと肩を震わせて息を詰める御堂に佐伯は苦笑した。 「ちょっと触っただけですよ?」 その先をあやすように軽く二度三度ぱたぱたとはたく。 あまりに儚い刺激は逆に御堂の神経を煽ってその先を期待させ、もっと触れてほしいとばかりに腰を揺らし胸を突き出させる。 すっかりアルコールの回った身体はほんのりと桃色に染まり、その中でも一際紅く色づくそこは輝く蜜に濡れてとろりと光を湛えていた。 「いやらしい、御堂さん……」 くり、と蜜のついた中指をひと回しする。 「あっ!」 背後の佐伯に寄りかかるようにして喉を仰け反らせる姿は身も心も全てを持っていかれそうなほどの色香を放っている。 「この姿、あんたにも見せてあげたいなぁ」 くりくりと指先で転がしてやれば声と身体が同調するように跳ねて佐伯を楽しませた。 「ねえ、御堂さんも見たいんじゃありませんか? 写真でも撮ってあげましょうか?」 しかし御堂はいやいやと首を振る。 「どうして? こんなに綺麗でいやらしいのに……」 同じように蜜に濡れた指で反対の乳首を摘み、左右ばらばらに、しかし一定のリズムを保つように嬲ってやる。 「あ、あ……っ、やっ……ぁ」 「本当に美味しそうですね、ここ」 普段の姿からは想像もできないほどに紅く膨れたそこを触れて転がして摘んで、ときどきアクセントを入れるようにぎゅっと捻り上げる。 「ひぁ……!」 そのたびに御堂は引きつるような声をあげ全身を震わせ甘ったるい声を零した。 「食べてもいいですか、ここ?」 嬲りながら耳に舌を差し入れて囁く。 もしかしたら、もう佐伯の言葉さえまともに理解できていないかもしれない御堂は幾度か小さく頷いて佐伯の手首をぎゅっと握り込んできた。 「じゃあ、こっちを向いてください」 そっと御堂の肩に手を置いて振り向かせる。 そうしてゆっくりゆっくりと胸に唇を近づけ、触れる直前でわざと息を吐き出しながら囁いた。 「食べてほしいですか?」 ふわりと降りかかる吐息に御堂は腰を揺らす。 それを面白がるように、佐伯はふっ、と幾度も幾度も息を吹きかけた。 「んっ……ん、……べ、て」 「なんですか? よく聞こえないんですけど?」 今度はそこを包み込むようにして、はぁ、と熱い息をかける。 「たべて……そこっ」 「ほんと、いやらしい人だ」 舌先を尖らせてツンと突くと、待ち構えていた刺激に御堂は大きく震え佐伯の頭を抱きしめた。 そしてもっとと強請るように佐伯の顔を自分の胸に擦り付けようとする。 「そんなことしちゃ食べられないですよ。もう少し行儀よくしてくださいね?」 「や……、さえきっ! も……」 「まだ俺はちゃんと食べていませんよ?」 そう言いながら佐伯はもう一度手を伸ばし、別の瓶に入っていた小さな果実を摘みあげた。 「今度はこれです。分かりますか?」 それを御堂の唇に触れさせる。 舌を出してそれを受け取った御堂は視覚を奪われているせいだろう、おそるおそる口の中に引き入れしばらく味わう。 「ぶる……べりー?」 「正解」 もう一つ、それを瓶から取って自分の口に入れた佐伯はそのまま御堂の胸に吸い付いた。 「あっ」 ぴくりと跳ねる身体をさらに苛むように、もう片方の先端をゆっくりと捏ねまわす。 しばらくはそうして舌と指で煽っておいてから、佐伯は舌を使い口の中のブルーベリーを御堂のそこにぎゅっと押し付けてやった。 「んぁ……っ!」 僅かな抵抗のあと、くちゅりと潰れた果実と一緒に御堂の膨らみを味わう。 蜜のぬめりの中で潰れた果実の皮や実が敏感に尖ったそこを刺激して、舌だけではありえないような快感をもたらしていった。 「ひっ、……ぁっ! さえ、き……っ」 佐伯の頭を抱える指はその髪を掻き乱しさらに自分の胸に押し付けようとする。 「そんなにいいですか、御堂さん?」 果実を零さないように喋る唇がまた違う快感を与えるのだろう。 ひたすら震えながら御堂は甘い言葉を紡ぐ。 「いい……、も、っと……さえきっ」 「可愛い人ですね、本当に」 くっ、と小さく笑った佐伯は横目に御堂の背後をちらりと見やる。 「じゃあ、今度はどれにしますか?」 「ぁ……んっ、はぁ……っ!」 「どれでも、好きなものをさしあげますよ?」 再び別の瓶に手を伸ばしながら、佐伯は甘く降り続ける声に舌なめずりをした。
2008/01/07
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