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『怖くない、怖くない』
と囁かれながらうっかりとんでもなく気持ちいいことをされてしまったバージル。
えっちが終わってから唇を尖らせて「ふん」みたいな顔をしながらも「まあ、気持ち良かったし」みたいな感じでダンテのほっぺたをペロリと舐めてあげました。
そんなツンデレぶりにきゅんとなったダンテは、
「俺の家に来ないか」
と提案。
「誰が人の世話になどなるものか」
というバージルに
「実は相棒がいなくなっちまってな。一緒に悪魔狩りやらないか、俺を手伝ってくれ」
とか言い出します。
とりあえず嘘は言っていません。
相棒のトリッシュは数年前に世界を見に出ていったきりでした。
こうして、まあ仕事の依頼なら受けてやらないでもないとかなんとかぶつぶつ言いながらバージルはダンテの家に住み込みで働くことになりました。
真面目なバージルはもちろん仕事をこなしつつ、「俺はそんなつもりはない」とか言いながらもうっかりダンテの手管にハマってやっぱりいい気持ちにされちゃったり。
そんな日々が過ぎてやってきました、発情期。
どう足掻いても身体に備わった機能から逃れることはできません。
もう昼間から身体がうずうずしちゃって堪らないバージル。
でもダンテにそれを気付かれないように一生懸命他のことを考えたりお風呂で水を浴びて身体を冷やしてみたり。
それでもやっぱり前と後ろがひくついちゃって大変です。
夜になって。
食事も終わって暖炉の前の床にクッションをいっぱい広げてくつろぐダンテ。
バージルもいつものように少し離れたところで澄ましたふうに本を広げているけれど、身体はうずうずと火照ってしまいます。
そういえば一昨日くらいからダンテはバージルに触ってくれていないので、もしかしたら今夜あたり……とちらりとダンテを盗み見るものの雇い主はのんびりと雑誌を捲っているだけ。
だからといって、まさか自分から誘うなんてことはバージルのプライドが許しません。
ここは我慢我慢、発情期なんぞすぐに終わる、男なら耐えきってみせろ、とばかりに深呼吸をして小難しい本に目を落とします。
そんなバージルに気のないふりをしているダンテ。
一昨日あたりから発情期が始まっていることなどとっくに気づいていました。
今夜あたりがもう限界かなとちらりとバージルに目を移してはその様子を楽しんでいます。
本人はすっかり隠し通しているつもりでも、ダンテから見ればそわそわうずうずしているのは丸わかり。
もしかしたらバージルから擦りよってきたりしないかなと淡い期待を抱いてみましたが、やっぱりそれはないようです。
ダンテにしてもいつまでもバージルなしでは心と身体が枯れちゃいそう。
そろそろいいかな、と雑誌をぱたりと閉じてバージルの方を向きました。
そのぱたりという音にバージルの耳は敏感に反応してひくりと動きます。
でもプライドの高いバージルは全く気付かぬふりで本を読み続けました。
「バージル」
きたーっ! と鼓動が跳ねあがるものの、一回呼ばれただけで振り向いては下心が見えてしまいそう。
「バージル、こっちにこないか?」
二回目で「ん?」と無関心を装ってダンテの方を向きます。
「こっちにおいで」
ぽんぽんと自分の膝を叩いてみせるダンテに「まったく仕方ないな」と言いたげな深い溜息をついてバージルはやっと身体を動かしました。
本当は今すぐにでも飛びついて身体をすりすりしたくて堪らないのですが。
尻尾をゆらゆらと揺らしながらダンテの側に座り示された膝にそっと頭を乗せます。
いわゆる膝枕状態。
ネコ科のバージルはやっぱり膝の上が大好きでした。
すぐにダンテの手が耳の後ろを優しく撫でてきます。
すっかり焦れている身体はそれだけでぴくりと跳ねて耳をひくひくとさせてしまいました。
けれどダンテはわざと気付かないふりをしています。
「バージル、身体が熱いな。熱でもあるのか?」
とか言いながら今度は背筋をすーっと撫で上げました。
「んぁ……っ」
思わず出てしまった甘い声を殺すようにダンテの膝にぎゅっと唇を押しつけてみますが既に後の祭り。
楽しそうに目を細めたダンテはゆっくりと指先で背骨のあたりを下から上へ、上から下へと何度も何度も繰り返し撫でていきました。
「ん、ん……」
膝に埋めたバージルの唇からくぐもった声が零れてきます。
ぎゅっと握られた拳はふるふると震え、腰も僅かに揺れてきました。
「どうした、バージル。身体がどんどん熱くなってきてる」
さすがにダンテの意地悪に気付きつつ、それでも意地をはるバージルはなんでもないと首を振ってみせます。
が、そんな仕草もダンテを楽しませるだけでした。
やがて背中を撫でていた指が下に降りていき奇麗に引き締まったお尻を撫でまわします。
ゆっくりゆっくりと肌の上を滑る掌にいよいよバージルは堪らなくなってきて、無意識のうちに尻尾でダンテの手を捉え絡ませました。
その意図を汲んだダンテはお尻を撫でていた手をほんの少しだけ、その奥に息づく蕾に触れさせます。
「あっ……!」
途端に身体がびくりと震え蕾がきゅぅっと窄まりました。
指先でその動きを感じ取ったダンテは焦らすようにその周りをゆるゆると撫でたり押したり引っ掻いたりしてやります。
バージルの蕾はまるでダンテの指を待ちわびているかのようにひくりひくりと震え始めました。
けれどそれでもバージルから行動を起こすことはありません。
負けたのはダンテの方でした。
身体はすっかり準備できているのに、一生懸命に声を抑え震えながら耐えているバージルの姿にはさすがのダンテも我慢ができなかったようです。
「ひぁ……っ」
つぷ……と指先を入れてやると一気にバージルの身体が強張り、喉に張り付くような悲鳴が上がりました。
少し力を込めるだけで指は簡単に呑みこまれていきます。
「バージル、もう少し身体を前に出してごらん」
けれどバージルはいやいやをするように首を振ることしかできません。
小さく苦笑したダンテは少しバージルの身体を持ち上げるようにして、そのお尻がちょうどダンテの膝の上あたりにくるように動かしてしまいます。
「腰を上げて、バージル」
それでもやっぱりバージルは首を振るばかり。
そんなバージルに深く差し入れた指を、ダンテはくいくいと曲げては一番感じる場所を擦り上げます。
「んぁ……っ、あん……」
もともと快楽にはひどく弱いバージルがこれをされてはたまったものではありません。
ましてや発情期で二日間もお預けを喰らっていたのですからもう限界でした。
「ほら、可愛い場所を見せてごらん」
「や……」
指が二本に増やされまさぐるような動きに変わると熱い内壁がきゅうきゅうとそれを締め付けてきます。
「バージル、腰を上げて」
もう一度そう言うとバージルは素直にほんの少しでしたが腰を上げてきました。
「中がすごく熱い。それに真赤だ」
そんな言葉の通り、ダンテの指を呑みこんだそこは熟れた果実のように赤く解れています。
中に埋め込まれていた指を、今度はゆっくりと引き抜いたり差し入れたりしてやるとバージルの息遣いがますます荒くなり、合間には鼻から抜けるような甘ったるい声も混じるようになりました。
もう片方の手で腰や背中や耳の裏を撫でてやると身体中がふるふると震えてきます。
「気持ちいいか、バージル?」
すっかり快感に支配されてしまっているバージルは毛足の長い絨毯をぎゅっと掴んでこくこくと何度も頷いています。
「素直な子は大好きだよ」
「あぁ……っ」
一気に指の動きを大きくして、差し入れるたびに感じる場所を突いてくるから堪りません。
「あ、あ、やぁ……!」
絨毯に頬を埋めすっかり硬く張りつめた自分の欲望をダンテの膝に擦りつけながら、バージルは一気に昇りつめ熱い迸りを吐き出してしまいました。
「バージル、まだ終わってないぞ」
膝の上でくたりとなっているバージルを抱き上げて、ダンテはその身体を背後からしっかりと抱きすくめます。
そうして自分のズボンの前をくつろげて、落ち着きはらった声とは裏腹に熱く硬くなっているそれをバージルの奥にあてがいました。
ぼんやりとしていたバージルは、それが何かに気づいて一瞬身体を震わせます。
「自分でいれてごらん」
いつもならえっちの最中でも多少の理性は残っているバージルのこと、まずそんなことはしないはずでした。
が、なんといっても今は発情期。
欲しい、ということしか頭にはありません。
少し腰を上げたバージルは言われるままに自らの後ろをその手で開いてゆっくりとダンテを呑みこんでいきました。
「くぅ……っ」
「そう、いいぞ……」
熱い上にうねるような締め付けにダンテも思わず深い息をついてしまいます。
やがて全てを収めたバージルのうなじにキスをするとひくりと中が波立ちました。
そのまま肩や首筋にキスを落としながら両方の指先でバージルの胸を弄ってやると堪らないかのように熱い吐息を吐きながら腰を揺らし始めます。
ゆらゆらと揺れていた尻尾はダンテの腰に絡みつき、熱い内壁は震えながら呑みこんだものをさらに奥へ導こうとひくつきました。
「んーっ、んぁ……あっ」
胸の先を摘んでは弄る指先もバージルをどんどん熱くしていきます。
熱を吐き出したばかりのそれもあっという間に腹につきそうなほどに硬くなっていました。
「あっ、ぅあ、あ……っ」
胸を弄りながら突き上げるダンテの動きに合わせたような悲鳴が部屋に満ちて、その声がさらに二人を興奮させていきます。
「や、も……だめっ」
「ああ、イっていいぞ」
「ひ……っ」
胸にあった指が今度はバージル自身に絡んで擦り上げます。
それでも片手は胸に残ってきゅっと摘んでは緩めて転がしてと繰り返していました。
「だ……んて、もっと……強くっ」
すっかり理性の飛んでいるらしいバージルはいつもなら絶対に口にしないようなおねだりをして腰を振ります。
もっともっとというように熱を擦り上げるダンテの手に自分の手を沿わせてさえきました。
前と後ろと、そして胸からの刺激にバージルはすっかり快感の波に呑みこまれています。
ダンテもいつもと違うバージルにそろそろ限界でした。
「あ、あ、ああぁ……っ!」
びくりと震えた直後、バージルの身体に自身の熱が飛び散りました。
「ぅ……ぁ……」
内壁がきゅぅっとダンテを締め付けてきます。
「バージ……っ、くぅっ」
ダンテも堪らず腰を突き上げていきますが、その動きが達したばかりのバージルをさらに追い上げてしまいました。
「やっ、な……っ、くはっ……!」
再び襲ってくる快感にバージルは訳も分らぬまま翻弄されていきます。
ダンテもきゅうきゅうひくひくと、今までにないほどに震えて絡みつくような内壁の動きにまるで神経が焼ききれるような痺れを感じて達してしまいました。
それと同時にバージルもさっきとは比べ物にならないほどの快感に、我を忘れたような嬌声を放ちながら昇りつめていくのでした。
まだ収まらない息を弾ませながら、バージルはダンテの胸にくたりと頬を乗せていました。
ダンテは今までと違ったバージルの姿を思い返し、「すごいな、発情期」などと思いながらその背中を優しく撫でています。
すると、どうしたことか。
バージルの下肢がまた熱を孕み硬くなり始めているのです。
「あ……」
自分でも驚いたらしいバージルは慌ててダンテから離れようとしたのですが、もちろんそんなことを許すダンテではありません。
「またしたい?」
掴まってじたばたするバージルをぎゅっと抱きしめてダンテは囁きます。
「違う! 放せ!」
「いいから」
それでももがくバージルの耳をはむっと口に含むと、一瞬跳ねた身体が静かになりました。
「恥ずかしがることはないだろう、発情期なんだから仕方ない」
「……っ、お前、知ってて……!」
「いいから、俺に任せておけ」
そう囁いてもう一度耳を食むと一気にバージルの身体から力が抜けていきます。
発情期最高。
心の中で万歳をして、ダンテはその手をゆっくりとバージルの汗ばんだ肌に這わせていくのでした。
2009/11/14
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