五年ぶりに会った僕たちは、それまでの想いを確かめ合うように抱き合った。
……確かめ合う、というよりは、ぶつけ合うとでも言った方が当たっているかもしれいない。
手塚君の身体のことが気にはなるものの、やはり欲望には勝つことができず夜明け近くまで何度も愛し合ってしまった。

窓が薄っすらと明るくなる頃、僕は隣で眠っている手塚君を起こさないようにそっとベッドから抜け出た。
薄暗い部屋の中で手探りのようにして脱ぎ散らかされた服を探し身につける。
それから帰ろうとしたものの、手塚君に黙って出て行ってしまっていいものか迷ってしまった。しかし寝ているところを起こすのも可哀想だ。
結局、僕はメモを残して部屋を出ることにした。
『とりあえず帰ります。また連絡しますね』

久しぶりに眠い一日を過ごして、残業も早めに切り上げた僕は駅を出てから手塚君の部屋に行ってみようと思った。
本当は昼間に連絡をしてみようかとも思ったのだが、何を話していいのか思いつかなかった。
とりあえず今は彼がどこにいるのか分からないから手塚君の携帯に連絡をしてみる。
しかし何度目かのコールで留守電に変わってしまった。留守電は苦手だけれど今から部屋に行ってみることだけ伝えておく。
なにか飲み物でも買っていこうかと思い途中のコンビニに入った。
と、そこに手塚君がいた。シャツにジーンズというラフな格好だ。
彼は僕が声をかける前にこっちに気づいて、あれ? という顔をしてからにこりと笑みを見せてくれた。

コンビニを出て一緒に歩く。
「今日はもしかして休みだったんですか?」
「ええ。今日と明日の二連休です」
「二連休……」
「おかげさまで今日は一日ゆっくりとできました」
語尾に僅かにからかうような音が混じっている。
もしかして、手塚君……。

それから、僕は手塚君の部屋に寄って一緒に夕食を作って食べた。
そうして、やっぱり抱き合った。
次の日も同じように部屋に寄って食事をして、抱き合って……。
一度、熱を開放してまどろんでから、それでも抑えられない欲望に僕はもう一度手塚君の身体を抱き寄せた。
当然、甘い声で応えてくれるかと思ったら、意外にも「今日はもう駄目です」と言われてしまった。
それを聞いた僕はよほど間抜けな顔をしていたのかもしれない。
手塚君はくすりと笑って僕に小さくキスをした。
「明日は仕事なんですからね」

手塚君を抱くには、やっぱり休みの前の日がいいらしい。
それが二連休だったりしたら、なおさらだ。

(2005.11.21)

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